堂々と胸を張る相沢さんに、洸ちゃんは何も知らず頭を下げる。






「ありがとうございます、先輩……何か俺、自信が湧いてきました……」






先輩じゃないんだけど……。




相沢さんだって玉川君に洸ちゃんと同じ事言ってたんだけど。





まあ、良いか……。







「洸ちゃん、もう無理なダイエットはしないでね?」


「うん。多分もうしない。涼花に心配かけたくないし……」






洸ちゃんの言葉を聞いて、私はホッと安心した。





もう二度と同じ様な事はないだろうと。





でも、私の考えは甘かった。





洸ちゃんの悩みの重さを深く理解しなかったせいで私達の間に既に溝が出来ていたなんて、この時の私はまだ気づいていなかった。