(む、無理だよ……地味な私が。性格だって大人しいしビビりなのに。皆の前でキスなんて恥ずかしいし、目立ちたくないよ……)




でもしないと、相沢さんの事だ。





「ここで張り手したらどうなるんだろ〜」




相撲の様に構えて張り手のふりをする相沢さんを見ながら、だんだん涙目になる。





(誰か助けて……洸ちゃん)





「キ、キスだけは勘弁して下さい……皆の前でなんて出来ません……」




「覚悟決めなよ?それに、嫌いな奴にキスしろなんて言ってないじゃん?私だったらいつ何処ででも青ちゃんとキス出来るし!!そんぐらい私は青ちゃんを愛してんだよ!!」



「私も、藤崎君の事を愛してます……本当に、玉川君とは何もありません……」




「だから証拠見せろって言ってんだよ!!藤崎にキスしてみせろやぁぁぁ!!」






ダムが決壊したかの様に、相沢さんの怒りも爆発した。