そのまま何故かよしよしと頭を撫でられながら、私は視線を落とした。




冗談でも気恥ずかしい。




玉川君の顔が見れない。






「何だかんだ喧嘩してもさ、俺優希の事好きだからさ。俺のせいで優希に嘘つかせちゃったんだなって、結構反省した」




「うん……」





落ち込んだ様な声で、玉川君は続けて話す。





「正直、女子の気持ちとか難しいし。今アイツが何考えてんのか全然分からん。橘にこうしただけで、やっぱムカつくもん?」





頭を撫でていた手が降ろされると、今度は頬を引っ張られた。





「これは?彼氏が他の女子にしてたらムカつく?橘」





片手でぷに、ぷに、と。



手加減されてるから痛くはないけど……。






「いや、あの……そうだね。ちょっとムカつくかな?」






玉川君って少し天然なんだろうか。




何故真顔で頬を引っ張られる必要があるのか分からず、私は苦笑いした。