きっと清武君は謙遜してるんだ……。




本当に良い人。



清武君が洸ちゃんの友達で良かったな……。






「こんな良い友達持って、洸ちゃんも幸せだよ」


「そんな事言って良いの……? 俺がすっごく腹黒くても?」


「え……? 腹黒いって……」






不思議になって清武君の顔をまじまじ見る私に、目を細める清武君。




この笑顔が何を意味するのか分からないけど、やっぱり私には誠実さしか伝わって来ない。




……が、しかし。




清武君の雰囲気が突如淀んだような気がしたかと思うと、身を持ってその黒さを思い知る事となった。





「おい橘、可愛いからって調子のんなよ? もし玉川に靡くような事があったら、洸太の変わりに俺がお仕置きしてやっから。玉川だけじゃない、この世の男全て! とは浮気すんなよ?」





(……あれ? 誰だろう、この人は……)





蔑むような冷たい瞳で睨みつけられ、






まるで今の私達は、魔王とその魔王に服従する村人のようだ。





腹黒いってそういう事!?





お仕置きって……もしかして清武君どエス!?