「どうしたの?」





3人の前に立つと、質問した私の肩に相沢さんが腕を回しにかっと歯を見せて笑った。





「藤崎が涼花に話したい事あるってよ」


「えっ……」





少し驚いて藤崎君の顔を見ると、藤崎君が真顔で頷いてみせる。





「今良い? 橘」

「良いけど……」





(話ってなんだろう。いやでも、さっきの悪口のことも気になるし……)





「じゃあ、あっちの方で話そう」

「あ、うん……」





結局、藤崎君に返事しちゃった……。






「付き合おうって言われるんじゃないの? 良かったな!」


「優希ちゃん……うん。」






(どうしよう。何もないと良いけど……)





嬉しそうに笑う相沢さんに頷きながら、私は少し嫌な予感がした。




相沢さんから背中を押されて藤崎君の後を歩き出すも、チラッと女の子達の方を見る。




すると、また驚くことになるなんて。





(……ミヤビちゃんだ。何であの子達と一緒にいるんだろう)





いつの間にか悪口を言っていたメンバーにミヤビちゃんの姿も加わっていて、私の嫌な予感は増す事になった。