「何なんだよアイツ! 皆の前で俺と橘が浮気してるなんて嘘つくなんてさぁ!」






学校が終わると、私は自分が注目されている気がしてそそくさと下校した。



目立つのはやっぱり好きじゃない。



アパートに着くと、自分以外いない空間に心が満たされてホッと安心していた。



のも束の間。




(何で玉川君がいるんだろう……部屋の鍵かけるの忘れてた)






いつの間にか当たり前の様にリビングのソファに玉川君が座っている事に気づくと、飲みかけのココアを床に落とそうとした。





相沢さんの不満を言ってるけど、元はと言えば玉川君が私と浮気してるなんて嘘をつくのがいけないんじゃ……。