もしまた洸ちゃんが太ったとしても、私の気持ちが変わる事はないのに。






「例えばの話だから、本当にそうならないと分からないけど。でも結局は誰だって見た目が大事なんだよ。橘さんだってそうに決まってる」


「深瀬さん、何でそんなに言い切れるの……?」


「わたしも前太ってたから」







「は、はあぁぁぁぁ!?」と私の代わりに叫んでくれたのは、玉川君の上に乗って後ろから腕で首を締めていた相沢さんだった。






(え……太ってたって……全然そんな風には見えないんだけど。……痩せてるし……)






「前って……」


「小学生の頃だけどね。その時の周りからの私に対する態度と、痩せてからの態度が全然違うんだ。所詮見た目かよって感じ。私の事馬鹿にしてたくせに、ころっと態度変えちゃってさ」


「少し考え過ぎなんじゃない? 深瀬さん……馬鹿にとかされてなかったかもよ……?」


「されてたもん! 告白しても太ってるから嫌って理由でふられたし、大体視線がみんな上からなのよ! ……ま、そのおかけで痩せれたんだけど」








だから、と深瀬さんは続けると、熱くなり過ぎて涙が溢れてしまったのか、ぐすっと鼻水をすする。






「また太ったら、私また周りから馬鹿にされると思う。洸ちゃんは私と同じ。橘さんには私と洸ちゃんの気持ちは分からないでしょ?」