「一つ聞くけど、橘さん、もしまた洸ちゃんが太ったらどうする？」


「それってどういう意味ですか？」


「今は前と状況が違うわけじゃん？ 橘さんは玉川と洸ちゃんを選べる状況なわけでしょ？ だとしたらモテる玉川と太った洸ちゃん、どっち選ぶのかなぁと思ってさー」







深瀬さんは一応質問したけど、深瀬さんの中ではもう答えが決まっているみたいだった。





ニヤリと笑うその顔がそれを物語っている。







「……私が玉川君を選ぶって思ってるんですか？」






落ち着いた声が空気に混じって消えていく。





確かに、前と今じゃ状況は違うけど。





何度も言うように、私は洸ちゃんが太っていようが痩せていようが関係ないんだし。





洸ちゃんの外見だけ好きになったわけじゃない。




私は洸ちゃんの全部が好き。





それを伝える事が大変だという事も、洸ちゃんを傷つけて凄く分かった。