(なんて綺麗なフォームの飛び蹴りをするんだろう……。って言ってる場合じゃない)




慌てて横向きに廊下を滑って動かなくなった玉川君に近寄る。





「玉川君、大丈夫!?」


「……無理っぽい。起き上がれない」


「ええっ!?」





そのまま仰向けになると玉川君は、驚く私に向かって両手を伸ばした。





「橘、起こして……」


「良いけど」







言われた通り両手を握って引っ張ると、玉川君の体がゆっくりと起き上がる。



けど、……なんか顔が近い気がするのは気のせいかな。



玉川君、何故か目を閉じてるし。





「橘。ちゅー……」


「わあ! 玉川君、何するの!」






不思議に思っていると、何故かキスされそうになって危機一髪で私は避けた。