いくら抵抗しても相沢さんは諦めてくれなくて、段々根比べみたいな事になってきた。





「良いではないか! 良いではないか!」


「ヤダ! 相沢さぁぁん!」


「ほれほれ〜! ワシの言う通りにせい〜!」


「やあぁぁぁ!」






トントンと肩を叩かれると、ハッと我に返ったけど。


いつの間にか隣に玉川君が立っているという事にも。



(何故かほっぺたが赤い)





「橘、大丈夫……?」


「玉川君、うん……」


「声聞こえてきたから急いで来たんだけど、……やばい。嫌がってる橘もめっちゃ可愛い……」





ボーッとして、私の顔を見つめてくる。

可愛いって……え? どこが……?





「泣いちゃってるし、声もちょっとエロかっ……」


「ずどーん!!!」





理由が聞けると思ったのに、玉川君が何かを言いかけた瞬間、玉川君の横腹に向かって相沢さんが飛び蹴りをし、最後まで聞けなかった。