ミヤビちゃんはというと、……あれ?




(いない……。いつの間に……?)





私の隣にいた筈なのに、突然姿を消したミヤビちゃんを、私以外の全員が多分驚きながら探した。





チャイムが鳴って藤崎君が呆れながら話し掛けてくると、周りを見渡す事をやめたけど。






「もう行こう。家庭科の授業に遅れる。さっきの奴はほっとこう」


「でも……」


「大体誰なの? アイツ。失礼だし、涼花、もうアイツに関わらない方が良いよ」


「うん、……そうだね」





藤崎君の言葉に頷くと、私は藤崎君の後を歩いて教室を出た。




(ミヤビちゃん……何がしたかったんだろう……)





まさかこのままでは終わらない事を、まだ私も藤崎君も分かっていなかった……。