二限目の数学の教科書とノートを机の上に置くと、殆ど同時にガタッと隣の席の椅子を引く音がして、私はふと顔を右に向けた。
(あ……)
「橘、癒して」
そして席に座った玉川君からそう言われると、困りつつ言葉に詰まった。
(癒してって言われても……)
なんか、玉川君不機嫌っていうか、疲れてる……?
「青ちゃん、お疲れ〜。また例の一年から呼び出し?」
「うん」
「名前なんだったっけー?」
「瀬戸 雅(せと みやび)」
「雅ちゃん、根性あるねー! 普通、青ちゃんからフラれた女子は泣いてウジウジするタイプばっかだったけど!」
「根性あるっていうか。……ちょっと痛いんだ、あの子」
(痛いってどういう事だろう?)
相沢さんと玉川君の会話に耳を傾け、一人不思議になる。
玉川君はというと、一度深いため息を吐いて、そんな私にチラッと視線を送った。
「雅ちゃんが橘だったら良いのに……」
「えっ!?」
「嘘。藤崎とラブラブな橘とかもう知らない」
「知らないって……」
(やっぱり玉川君、まだ不機嫌……)
(あ……)
「橘、癒して」
そして席に座った玉川君からそう言われると、困りつつ言葉に詰まった。
(癒してって言われても……)
なんか、玉川君不機嫌っていうか、疲れてる……?
「青ちゃん、お疲れ〜。また例の一年から呼び出し?」
「うん」
「名前なんだったっけー?」
「瀬戸 雅(せと みやび)」
「雅ちゃん、根性あるねー! 普通、青ちゃんからフラれた女子は泣いてウジウジするタイプばっかだったけど!」
「根性あるっていうか。……ちょっと痛いんだ、あの子」
(痛いってどういう事だろう?)
相沢さんと玉川君の会話に耳を傾け、一人不思議になる。
玉川君はというと、一度深いため息を吐いて、そんな私にチラッと視線を送った。
「雅ちゃんが橘だったら良いのに……」
「えっ!?」
「嘘。藤崎とラブラブな橘とかもう知らない」
「知らないって……」
(やっぱり玉川君、まだ不機嫌……)