「これおかしくない?」

「えっ、何が……?」

「図書カードの借りた人のとこ、今日の日付で深瀬が借りたように書いてある」

「そうなの?」

「ほら」





落ちてたように一番最後のページを開いたまま、藤崎君が貼ってある図書カードを指差すと、私もそこを見た。





(本当だ……今日の日付の横に深瀬 志帆って書いてある。しかも……)




「返却のスタンプ押されてないね……」

「さっきまで近くにいたんだろうな。で、俺たちがキスしてたの見て涼花に本ぶつけたんだと思う」

「ええっ!?」

「たまたま図書室にいたのか、それともつけて来たのかは知らないけど」





藤崎君は辺りを見渡し、誰もいない事を確認すると続けた。






「深瀬、涼花に何するかわかんないから気をつけとこう」