悪いのは、私なのに……。




深瀬さんの気持ちを何と無く分かってて、また良い人ぶって自分の気持ちに嘘をついた。




本当は……藤崎君に彼女なんて出来て欲しくなかった。



(深瀬さんに、ちゃんと話そう)






「深瀬。落ち着いて」







二人の方へ歩み出すと同時だった。



後ろから私の横をスッと通り過ぎて、藤崎君が深瀬さんの前に立った。




私達に気づいて、教室から出て来たのかな?




珍しく心配そうな顔してる……。



(……嫌だ。そんな顔、他の子にして欲しくない)





「洸ちゃん……」


「どうした? 話、教室まで聞こえてる」


「ごめん。ついかっとなっちゃって」






深瀬さんはそんな藤崎君を見ると、気まずそうに視線を逸らす。