(結局、玉川君のペースに巻き込まれちゃうな、私って……)




席替えが終わると、二限目の音楽の為、私は相沢さんと音楽室へ移動する。




そんな中、廊下ですれ違ったある人から声を掛けられた。



ある人とは……





「あ。橘さん、おはよぉ!」






今日もほんわかしていて可愛い深瀬さん。



(私に挨拶してくれるなんて、天使だな……。けど、やっぱり派手なグループの子と話すのは緊張する……)






「深瀬さん、おはよう」


「前髪切った?」


「あ、うん……自分で切ったからパッツンだけど」


「可愛いぃ〜」


「ありがとう……」






笑顔で褒められると照れながらも嬉しくて、自然と頬が緩む。




けど。



(こんなに良い性格で可愛いんだから、藤崎君も好きになってるかもしれない……)





そう思うと、少し不安になった。






「志帆ちゃん、藤崎と花火大会行ったんでしょおー? チューしたー?」





隣に立っている相沢さんの言葉を聞くと、もっとその不安は増した。