* * *

「涼花、夏休みも遊ぼーね!!」


「うん!遊ぼう、相沢さん」


「今年の夏こそ痩せてやるぅ!ジョギング付き合ってね!」


「うん!」





終業式が終わり教室に戻ると、机の横に立って話し掛けてくる相沢さんに、私は席についたまま微笑んだ。





後は帰りのHRで通知表を貰ったりして、それが終われば下校して夏休みに入る。




嬉しいけど……複雑。





映画を観に行った日から一週間経ったけど、藤崎君と関わる事はなく。





怒らせていたから、まだ怒っているのか気になる。





(でも、わざわざ謝りに行くのも変だし……)






「私明日、ダイエット合宿も兼ねてお泊まり会する事にしたから!藤崎ん家に!」


「そうなんだ……精が出るね……」


「メンバーは、私と涼花とマコちゃん!ヤバイ……一夏の危険な香りがする……ヤッフゥゥゥウ!!!」


「ダイエットがんばってね……」






ぼんやりとしながら相沢さんに相槌を打つと、相沢さんが何か嬉しそうにはしゃぎながら叫んでいたけど。




私は相変わらず藤崎君の事ばかり考えていた。




事のおかしさに気づいたのは、翌日の昼間だった。