そのままアイスの棒を持ち私がアイスの先をかじっていると、横で玉川君が続けて話しかけてくる。







「俺さ、人の外見を馬鹿にする奴が大嫌いなんだよ。だから最初、橘が太った人の事馬鹿にしてるんだと思ってキレちゃった。ごめんな?」



「でも、言っちゃいけない事言ってしまったのは確かだよ……。だから私の彼氏も怒ったんだと思う」



「それぐらい橘の事が好きなんだろ! 俺も相沢と付き合ってんだけどさ、あいつ全然自分に自信がねーの! 俺浮気なんかしないのに、しつこく疑ってくるからいつも同じ事で喧嘩してんだ」



「そうだったんだ……」



「最近は急に痩せるとか言い出して、無理なダイエットし始めてさー。俺がやめさせようとしたら、また今日喧嘩。俺は優希の外見だけを好きになったわけじゃないのに。女って意味わかんねー」






(それが理由だったんだ……。相沢さん、玉川君の為に綺麗になりたいんだろうな。玉川君が大好きなんだ……)






玉川君も相沢さんの事を心配してダイエットを止めようとしていて、2人共羨ましいぐらい幸せな彼氏と彼女なのに。






「玉川君、だからムキになって私と浮気するなんて言ったの?」


「ああ、うん。ごめん!本当巻き込んで!」



「私は平気だけど、相沢さん大丈夫かな……」






またアイスの違う部分をかじりながら話すと、私はさっき相沢さんが泣いていた姿を思い出した。