ふらふらとほぼ瀕死のように顔も青ざめつつ立ち上がると、ゆらりと頭を下げる。






「橘……ごめん。嘘ついて、変な事に巻き込んで」


「もう良いよ。それよりあの写メは消してね?」


「……分かった」







そう言って玉川君は顔を上げると、今度は隣でうるうると涙ぐんだ相沢さんを見て言った。






「優希も……ごめん。でも俺、お前がレベル低いとか、本当に思ってなかったから。優希の顔と性格が好きで、告白された時付き合いたいって思った。この子と一緒にいたら楽しそうだなって」


「うう……」


「別れる事になったけど、それは優希のせいじゃないよ。優希は自分が太ってる事気にしてるみたいだけど、そうじゃないから」


「青ちゃぁぁぁん!」






ごめんね、ごめんねと相沢さんは言って、鼻水を啜りながら続ける。






「私が青ちゃんの事信用しなかったから?ずっと浮気してるでしょって言われてウンザリしたの?」


「……ごめん」





玉川君は相沢さんから目をそらした。





そして、すぐに私の方を見ると、一回ごくんと息を飲んで。






「橘、俺本当は……」






何か言いかけようとした、その時チャイムが鳴る。





(え……何。何言おうとしたんだろう。……凄く気になる)






でも、私のそんな気持ちも虚しく、生徒達みんなが自分の教室へ戻っていったり席に着き始めると、玉川君の続きの言葉は聞けなかった。




相沢さんの泣く声だけが耳に残った。