そう思っていると、相沢さんが私達の前まで来て、急に私の着ているセーラー服の胸ぐらを掴んだ。





そして相変わらず怖い表情で、






「てめぇ……マジでコロス」





と言った。






それにショックを受けて私が呆然としていると、本田さんと今井さんの援護射撃の様な私に対しての文句が始まる。







「だよね〜！優希ちゃん、もっと懲らしめるべきだよ！人の彼氏取るなんて最悪だよ！青児君、きっと騙されてるんだよ！」



「優希ちゃん、かわいそ過ぎ！青ちゃんもバカだよね。優希ちゃんいるのに他の子に靡くなんてさぁ」






(これは……きついかも。皆の前で……泣きそう……)






そのまま胸ぐらを掴まれたまま相沢さん達から視線を伏せ、私は泣きそうなのを我慢した。





目頭が熱い。鼻がツンとする。







頬や唇がひくひく、プルプルと震える。







「この大バカが……」







相沢さんがまた話すと、もう無理だった。






(何で私がこんな目に……)






「ひっく……」






我慢していた涙が一気に溢れ出した。




その瞬間……







「しょうりゅーけーん！！！！」






相沢さんが両拳で、本田さんと今井さんの顎を下からジャンプしながら思い切り殴った。






(え……？)





ええぇぇぇぇぇ！！と周りで見ていた生徒達皆が、そう叫んだ。