目の前で立ち止まった藤崎君が見ている方をドアから出て見ると、その理由もすぐに分かった。






「……二人、何で一緒にいんの?」






ちょうど良く学校から帰ってきたのか、玉川君がドアの前に立っていた。




鞄を肩にかけて、私達の事をビックリしたように目を丸くさせて見ている。




まだオレンジ色の空の下、アパートの廊下で不機嫌そうな藤崎君と玉川君の声が重なった。





「藤崎、橘からはなれろ!」


「涼花にお前何してんだ!」