* * *

屋上に出ると背中を向けていた相沢さんは、真剣な表情のままこっちの方を振り返った。




曇り空で風があるからあまり暑くなく、時折私達のセーラー服やスカートがフワリと浮く。




(また相沢さん、突進して屋上のドア壊したし……)





数秒前の相沢さんの突進する姿を思い出して身震いする。




けど、そんな場合じゃないとすぐに気づいて私は……ゆっくりと土下座した。








「ごめんなさい……許してください」







なんて惨めなんだろう。




動物だけじゃなく、人間だって弱肉強食。




弱い者は強い者の餌食になる……。





今回私より玉川君の方が強かったから、こんな事に……。





理由は理不尽だけど、運がなかったとしか考えられない。