「蚊にさされたんじゃない!?」


「蚊?」




じいっと玉川君のほっぺたを相沢さんは見つめる。


その間に玉川君は相沢さんの前まで来ると、真剣な顔で言った。










「優希、次の休み時間話がある」


「話?……って何?」


「優希が聞きたがってた話」






聞きたがってた話って、多分あの事かな……?私に相沢さんが聞いてって頼んでいた奴。




それなら嬉しいだろうな。




そう2人の話を聞きながら思ったのに。






「分かった……」





何故か相沢さんは寂しそうにニコッと笑った。


その目はあまり玉川君の事を見ようとはしていなかった。