「あたりまえだろ。俺は姫が好きなんだから」
「さっきから気になってたんだけど、私のど
こがいいの?私、可愛くないし花穂がいないと何もできないし。」
「そうゆうところを好きになった。一人じゃ何もできんって可愛いじゃん」
「可愛い!?ありえないよ…」
「まぁ、俺にはありえるんだよ」
「と、とにかく私にはあまり関わらないで」
「何で?」
「だって千歳くんはモテモテで運動神経抜群で何でもできて…。でも私は何一ついいところなんてない。こんな私が千歳くんと一緒にいたら誤解されちゃうよ」
「別にいいよ。姫だからね。」
「私はよくないんだよ」
「何で姫ってそんなに自分を責めるん?」
「だって…だってっ!」
あれ?何で私泣いてるの…
悲しいことなんて何もないのに。
「ごめん。聞いた俺が悪かった。無理して答えなくていいよ。話せる時が来たら話して?」
「あり、がと…」
「おう。」

カラカラカラ…
「誰かきた?」
「姫、こっち」
バサッ
「見つかってないみたいだな」
「う、うん、」
ど、どーしてこんな体勢になっちゃったの?
千歳君の体が私の体に密着して…。
綺麗でサラサラな金髪の髪の毛が私の耳に。
吐息が…///
がっしりとした腕が私を捕まえて離さない。
締め付けられるような。
足が割って入ってきてる。
こんな体勢にならなくても大丈夫なんじゃないのかな…///?
「ち、千歳くん?恥ずかしいよこんな体勢///」
わぁ、私、涙目になっちゃってるよ…。
助けて。花穂っ!
「しょうがないだろ。急だったんだから。我慢しろ。」
「わ、分かった。」
「…姫、体熱い。どうしたの?」
「千歳くんのせいだよ…」
「姫、誘ってんのか?」
暗くてよくは見えねーけど、でもこれだけは分かる。
大きくて潤んだその瞳。
しかも上目使い。
火照った頬に紅い唇。
「誘ってないよっ」
「俺的には誘ってるように感じる」
「だから誘ってないよっ」
モゾモゾ…
「ちょっ…。姫、動くな。後、ちょっと静かにしてろ。ばれるだろ?」
「だって千歳くんが…」
「あー、もー」
「んっ!」
「あいつらが行くまでこうしてるから」
「ふぅんっ!んっ!」
や、やだ…///千歳くんの指が私の口の中に…
「何かこうして見てると、俺のいいなりになってる姫は可愛いな 」
「そんにゃひょとひゅわにゃいひぇ…」
「だから、黙ってろってゆったよな?」
「んんっ!」
掻き回さないで…//////
「姫の顔がよく見れないで残念だな」
「んん!」
もう、最悪だよ…。また泣いてるし。何で千歳くんといると泣いちゃうんだろ。
早く行ってくれないかな?あの子達…
「ひひょひぇひゅうん?」
「しっ。」

「……まぢでさぁ、二階堂うぜぇっての。」
「分かる。生徒のいいなりになってんじゃねーよって感じ。」
「でもさぁ、千歳くんだっけ?カッコよくない?超タイプ♪」
「あたしも!赤月くんカッコよすぎ♪」
「だからさぁ、あの女、嫌いなんだよねぇ。」
「あいつでしょ?初授業で千歳くんに媚び売ったって話の」
「そうそう。名前なんだっけ?」
「えとね、桜田姫。そ!桜田姫!」
「姫ねぇ。可愛くもないのに、姫とか…。本人可哀想。」
「だよねぇ。」
「もう行く?」
「そやね」

やっぱり私はいつでもそうだ。やってもないのに勝手に決められて。それで悪口言われて。広まって。悲しい思いするのは私だけで。皆、私をイジメて楽しんでる。何で世界はこんなに不平等なんだろ。
「姫…?」

「俺が助けるから」
え?

「おい。お前らいい加減にしろよ。
お前らに姫の何が分かんだよ。こいつの辛さが分かんのかよ」
「ち、千歳くん?千歳くんじゃん♪」
「カッコいい♪」
「ふざけんな。」
「だって媚び売ったってのは本当じゃん!?だから千歳くんが可哀想だなぁって。あんな女に付きまとわれて…」
「は?誰情報だよ。それ」
「莉愛ちゃんが言ってたし」
「あいつか。言っとくけどな俺は姫が大好きなんだよ。誰がなんと言おうと知らねー。」

「千歳、く、ん」
こんなこと言われたって嬉しくなんかないのに。綺麗事だって分かってるのに…
どうして、嬉しいなんて思うの?

「ご、ごめんね!千歳くん、あたし達行くね…」


「おいで。姫」
「私泣きじゃくってるからやだよ…」
「おいで。」
「無理だよ。」
「だったら俺が行く」
「嫌っ!来ないで!目も腫れてるし…」
「大丈夫。てか姫が泣く必要ないし。」
「うぅ…。ひっく」
「姫は今までよく耐えたね。」
「私、私」
「何も言うな。今は泣けばいい」
「ごめんね、千歳くん」
私は今までの事を全部はきだすかのように思いきり泣いた。

「落ち着いた?」
「うん、ありがと。千歳くん、」
「ペロっ」
「ひゃっ///」
「チュッ」
「ど、どうしたの?千歳くん?」
「姫は可愛いよ」
「え?」
「姫は世界一可愛い」
「照れるよ…///」
「あと、姫って名前も俺は大好きだから」
「あり、がと」
「姫の涙、甘い♪」
「ふぇ///?」
「姫、顔真っ赤♪」
「千歳くんがこんなことするからぁ!」
「♪」