─────ピピピピ ピピピピ
「……ん」
目を開けると、港が目の前に。
「わっ!」
「あ、陽おはよ。こめんごめん、熱計ってた」
「あ、うん」
「……昨日陽寝ちゃったからさ。薬飲めてないもんね。朝ご飯食べて薬飲もう?」
「……………やだ」
「………なんで?」
「戻す…」
「お粥にしたから。ゆっくり食べれば平気だよ。ほら」
抱えられてリビングの椅子に座らせられる。
「よし、ほら食べよう」
小さいスプーンにのせられたお粥。
「…陽、あーん」
「………あーん」
パクリ
温かいお粥と、フワフワな卵が口の中に広がる。
「陽、嬉しそ。おいしい?」
「うん、おいしい」
それでも戻さないか不安で、ゆっくり飲み込む。
港の隣には、戻してもいいようにか、ビニールとタオルが置いてある。
「二口目」
またおかしいをゆっくり含む。
「陽、今日俺仕事だけどさ。
自分で薬、飲んだりご飯食べたりできる?」
「……うん。多分」
「……ご飯食べて薬飲んで寝るんだよ?ちゃんと。」
「わかった…」