「あたしさ、蓮の力で過去に行ってもいい?」
「え?」
あたしから体を離して蓮を見た。
「蓮に任せてらんない。ほら、あたしならいつ死ぬか分かってるし」
「いいのか?どんな結果になっても」
「もし、あたしが止めても瑞樹が死んだら、ちゃんとあきらめてその時代で生きていく」
蓮は笑ってくれた。
だけのその中には涙も入っていた。
何度も時が止まればいいと思った。
だけど、止まらないならあたしが戻ればいい。
もう一度会って、ちゃんと伝えなくちゃ。
「一つ、条件があるんだ」
蓮は息を吐いた後、真剣にあたしに話してくれた。
「瑞樹が死ぬ代わりに、依來。お前が死ななくちゃいけない」
どんな残酷なことでもちゃんと受け止める覚悟はできている。
「もし、瑞樹が死なないでお前も死ななかったら、お前はこの世から存在が消える」
消える?
死ぬのとどう違うのかさっぱりわからない