「瑞樹はさ、将来何にすんの」
 「んー…フリーター」
 「マジかよ」
 「んな訳ねぇだろ」


あたしの質問に瑞樹はフリーターと答えた。ばかだなぁ


 「Tell Our World.世界は分かんねーよ」
 「そーだね」


将来のことなんて考えたこともなかった。そうやら"今"だけを見て生きていくには難しいらしい。


あたしの髪をくしゃくしゃしてくる瑞樹。


 「夏休、じっくり考えろ」


短い髪を整えるのも慣れたものだ。


瑞樹があたしたちから背を向けて歩き始めた。


 「どこ行くの?」
 「ん、先生のところ」
 「いってらっしゃい」


蓮が大きく手を振り送り出した。


窓から入ってきた風がカーテンを揺らした。