家に帰っても体に力が入らなくて何もできない。


しようとする気力さえない。


何度も繰り返し流れる瑞樹の引かれる瞬間。


もう夏休みだよ?あと5日なんてあっという間だよ。


三人で夏祭り行って、花火見て、瑞樹の別荘に泊まりに行って、バーベキューして、いっぱいアイス食べて、瑞樹の宿題写させてもらって・・・


最高の夏休みにするんじゃなかったの?


好きだったのに。


ちゃんと伝えたかったのに。


ベットの脇で小さくなっていたあたしに下から声が聞こえる。


 「依來ー、ごはんよー」


うるさいよ。


要らないよ


瑞樹はお腹がすいても、食べられないんだよ?


これからの世界はもう…見られないんだ。