初めて好きになったのが瑞樹で良かったと思う。
初めて抱きしめられたのが瑞樹で良かったと思う。
初めてキスをしたのが瑞樹で良かったと思う。
「じゃぁな、バカ」
だから、バカは余計だっての!!
そんなはにかんだ瑞樹の顔が可愛くて、幸せな気持ちになっていく。
信号が青になって瑞樹は歩いていく。
幸せだったのに
時間が止まってくれないかといつも思う。
理由があれば寝ること以外に使ってたよ。絶対
初めて神様を憎んだ。
目の前にいれば絶対に殴っているのに。
どうしてあたしたちなんだろう。
どうして瑞樹なんだろう…
瑞樹の歩く音
周りを行く人たちの話声
泣きじゃくる赤ちゃんの声
信号機の音
トラックの走る音
ブレーキの音
誰かの叫び声