「お前は卒業したらどうするんだ?か」


予想もしなかった質問に体が跳ねた。


「み、瑞樹は?」
「俺は、フリーター」
「本当に!?」
「な分けないだろ」


そうだよね…瑞樹のお父さん、IT会社の社長だったんだっけ。


決まってないのはあたしだけか…



 「瑞樹は、大人になりたいと思う?」
 「どちもどっちだ」
 「どうして」
 「またま三人で遊びたいっていう気持ちもあるし、おとなになって責任を持ちたい」
 「よく分からないや」
 「ま、バカだからな」


バカは余計だっての!


それに…責任ってなんなんだろう


 「夏休みに入ったらさ」
 「おう」
 「いっぱい遊ぼうね」
 「………だな」


遅く聞こえた返事は風に消されたように小さくて、あたしを不安にさせる。


そして、いつも二人が別れる横断歩道に着いた。


信号はちょうど点滅して次に渡ることにした。