「だって、新しく勝った時計は時間ずれてるし、階段から落ちるし、遅刻するし」
 「階段から落ちたのか?バカだな。御愁傷様」


お腹を抱えて蓮が笑っている。かなり気分悪いんですけど。


 「地球が終われば良いのに」


瑞樹がジュースを飲みほして立ち上がった。


 「地球が終わっちまったら俺等もう会えねぇじゃん」
 「あ、そっか」
 「ばかだな」


蓮がツッコんでくる。


 「今の人生楽しいだろ。俺等いるし」
 「…」
 「なんで無反応なんだよ」


無視したわけじゃない。ただ、この三人と毎日一緒にいることが当たり前すぎて、例え明日が来なくても会えるような気がしていたから。


良い方にばかり考え過ぎだと蓮に言われる。


だけど、どうしてもそう思っていたいんだ。


いつか卒業なんて、いつか別れるなんて、そんなもの関係ないのに。