目がしらが熱くなったけど、坂を下りている風で冷めてしまった。


自転車が瑞樹を追いかけ追い抜くとき、あたしは瑞樹の顔を見ることができなかった。


坂の下で自転車が止まり、ジャンプして降りると瑞樹が走って下りてきて、肩で息をしていた。


蓮が適当に自転車を止めて先にコンビニの中に入って行った。


あたしも追いかけて入ろうとした時、後ろから肩を組まれた。


 「遠慮してんじゃねぇよ」
 「別に…」
 「普通でいいよ」


瑞樹はあたしの髪をくしゃくしゃしてコンビニの中に入って行った。


瑞樹に触れられた部分が熱く伝わってあたしの中に溶けて行った。