「蓮は!?」


そ、そうだよ。夏休み前にバラバラになっちゃうの?


そんなの嫌だよ。


 「蓮が好きなのか?」


蓮が好き?違う。


瑞樹のようなドキドキはしないもん。


 「蓮は好きだけど瑞樹とは違うよ」
 「違う?」
 「瑞樹を特別に思ってる」


 「今まで通り一緒だ。俺も三人でいたいからな」
 「うん……」
 「俺さ、お前と毎日一緒にいて気づいたんだ。どれだけお前が馬鹿でドジで可愛いかってこと」


もう、誉めてんのか貶してんのか全然わからない。


けど、恥ずかしくて顔を埋めたくなる。


あたしの心がちょっとだけたまっていたのがなんだかふわっと浮いたような…


 「蓮は彼女を大切にするでしょ」
 「そういう奴だ」
 「いつかはバラバラになっちゃうもんね」
 「…そろそろ行くか」
 「ん」


あたしたちは別の話をしながら教室に戻った。