瑞樹がむくっと起き上ってさっきまで蓮が座っていた椅子に座った。


 「…なぁ」
 「ん?」
 「俺等、付き合うか」


 「う~ん…え?」


今何て言った?全然聞いてなかったけど。


 「だから、俺等付きあわねぇか」
 「な、なんでそんな話になるのよ!」


一気に頭が真っ白になる。


だって…だって、


いや、いや、なんであたしこんなに焦ってんの?


だって瑞樹だよ。


あたし、ずっとこのまま友達だと思ってたのに…


 「蓮、女と付き合うんだろ?」



 「ちょ、起きてたなら言ってよ!ははは…」


絶対上手く笑えてない。


右の頬っぺたすごく痛い。


引きつってるし…


 「おい、話逸らすな」


瑞樹があたしを後ろから抱きしめた。


瑞樹の心臓もあたしの心臓もすごく早く聞こえる。