その4日後、茜は風邪を引いたらしく今日は学校に来ていなかった。


そして昼休み。あたしたち三人は旧校舎の被服室に来ていた。


蓮はあたしがお昼を食べているのを目の前から見ていて、瑞樹は4つ椅子を並べて寝ているようだ。


 「俺さ」
 「ん?」

蓮が小声で話かけてきた。


 「今日、一緒に帰れねぇから」
 「なんで」
 「1組の美佐子さん?だっけ」
 「うん」
 「付き合ってって」

思わず飲んでいたお茶を吹いてしまった。


 「汚ぇな」


謝りながら口を拭いた。


 「で、付き合うの?」
 「な訳ないだろ」
 「何で~…もったいないよ」


蓮は細く笑って頬杖をついた。


 「お前らを放っておいたら何しでかすか分かんねぇだろ」
 「別に、心配しなくていいし…行きなよ、早く」
 「分かったよ……あ、瑞樹に言うなよな」
 「はいはい。行った行った」


蓮は面倒臭そうに旧校舎から出て行った。