「恥ずいんだから大人しくしろ」
 

じゃあなんで、なんでこんなことするのさ。


心臓が暴れてうるさい。


 「ばか…」
 「うっせーよ」


でも…瑞樹の背中、落ち着くな。


あったかくて、瑞樹の心臓の音がすごく落ち着く。


 「ほら、着いたぞ」


気づいたらあたしの家の前についていた。


 「ん」
 「じゃぁな。気をつけろよ」


瑞樹が私の頭に手を置いて帰ろうとしていた。


 「あのあさ」
 「ん?」
 「ありがと」
 「しっかり歩けよ、ドジ」 
 「あー!今の取り消しね」


瑞樹は手を振って帰って行った。


瑞樹はいなくなったのにこの心臓の音が静かにならなかった。