お泊まり会の帰り、蓮は別の用事で先に帰りあたしと瑞樹の二人で近くのコンビニに寄っていた。
「あ、これね新しく発売された「カリカリくんスーパー明太子味だって」
「微妙な味のチョイスだな」
「そんなことないよ。結構人気なんだから」
「…引くわ」
あたしはアイルショーケースに手を伸ばしてそのアイスを取った。
「先に出とくね」
「分かったー」
レジでお金を払いコンビニの外に出た。
7時だということだろうが学生やサラリーマンの人たちでいっぱいだった。
「は、離してください」
「いいだろ?ちょっとくらい…なぁ」
「嫌です!」
コンビニの隣の暗い小道に男の人に囲まれた女の人の姿があった。
どうしよう。困ってるだろうな…
周りの人は…見ないふりか。
よし、行こ
「どこいくんだ」
「え…あそこ」
視線で場所をさした。
「やめとけ」
「でも」
「行くぞ」
瑞樹に腕を引っ張られてあたしはその場から女の人を助けることができなかった。
「なんで助けなかったの?」
「……」
「あの人たち、嫌がってたよ」
「……」
「もし、あの人が」
「警察呼んだから安心しろ。それに、お前がそんなところに飛び込んだってなにもできねぇよ」
そうか。ちゃんと瑞樹は考えて行動してるんだな。