茜が呆れたように声をかけてきた。
「早く下りてあげなよ。二人苦しそうだし」
蓮が起きてくれて解放された時にはあたしと瑞樹は肩で息をしていた。
「暑いな」
蓮が自分のシャツをパタパタさせて自分に風を送っていた。
「蓮の顔、最高!」
あたしは蓮を指さして笑った。
「瑞樹だろ、これ書いたの」
「ちげーよ。依來だって」
「あたしは違うって。これ見てよ」
あたしはポケットからスマホを出して、蓮に落書きをしている瑞樹の画像を見せた。
「やっぱりお前か…」
蓮がため息をついた。
「依來がやれって言ったんだよ」
「言ってないし!」
お腹を抱えて瑞樹が笑った。
「瑞樹、やったな~」
蓮が瑞樹をベットに倒しまた上に乗った。
「ギブギブ」
瑞樹が蓮の腕をポンポン叩くが、一行とどこうとしないのであたしも蓮の上に乗った。
「重っっ!降りろよ、依來」
「どかないも~ん」
「ったく、子供なんだから」
茜が頭を抱えて笑った。