茜の部屋に着くと、さっきまで人がいたような暖かさだったが、部屋の明かりが消えていた。
「誰もいねぇな。俺は向こう探してくるからそこで待ってろ」
瑞樹が部屋から出て行ってしまった。
小さいときから茜の部屋を見てきただ、全然変わっていないような気がする。
部屋を見渡すと昔、あたしが上げたプレゼントもまだ残しているようだ。
机の上にある写真立てを手に取った。
映っているのは小学生の時に二人で公園で遊んだときに撮ったものだった。
あっという間に時は流れて、もう高校三年だなんて…
突然、後ろから口をふさがれて身動きが出来なくなった。
そのまま扉が開いてる隣の部屋の死角になる小さなスペースに連れて行かれた。
手を離されて振り返ると口の前で人差し指を立てる蓮の顔があった。
でも、さっき瑞樹が顔に書いた落書きがおもしろくて手で口を隠して笑をこらえた。