秋津を一度も見ることなく道を歩き続ける。


 「なんであそこに戸田が出てくんだよ」
 「知らないよ、そんなこと」


 「俺がどうかした?」


二人の前に現れる戸田の姿。


こいつもか・・・


 「怪我して、殴られそうになって、怪我人を運んだのは俺だぜ?アイスくらい食っても良いだろ」
 「ちなみに手当てしたのはあたしだけどね」
 「蹴り入れられたのは俺だけどな」
 「あの時の喧嘩はひどかったからな」
 「ほんとよ、ピーチジュースも被害にあわれて…」
 「それは…俺がやったアイスでチャラになった」


アイスの食うか食わないかでこんなにも話が盛り上がりますか。


 「にしても、お前喧嘩強いのかよ」


戸田は秋津に聞いた。


それは聞かない方がいいと思う。


 「強ぇよ」
 「普通でしょ?」


あたしも話しに参加して見る。


 「強ぇよ」
 「どうだか」
 「左に同じー」
 「もういい。普通でいいよ」
 「「普通かい」」


戸田とあたしは同時にツッコんだ。