その日の放課後、茜と分かれ道で別れて、大通りを一人で歩いていた。


 「よ」


後ろを振り向くと秋津がバックを肩にかけて立っていた。


 「何?」
 「何って…俺道こっちだし」
 「あそ」


鼻で笑い、歩きだした。


身長が高い秋津ならすぐにあたしを追い越すはずなのに、全然追い抜く感じはない。


黙ってあたしの横を付いてきている。


犬か!おまえは。


ふと、昼休みのアイスのことを思い出した。


 「ありがと」
 「別に」


一発で話が分かったようだ。


恐るべし…