「やってくれんじゃんぇか」


冷静にその男子は言葉を吐き捨てて、相手のお腹を殴った。


 「うっ・・・」


鈍い音と共に相手が倒れた。


 「・・・・・・・・・・・・・」


鎮まり返る中庭、腰を抜かしてその場に座り込む私、顔が笑ったまま固まる秋津。


 「うおおおお!」


一気に中庭が騒がしくなった。男子も女子も一緒に叫んでいるようだった。


 「てめぇ、しゃしゃり出てくんじゃねぇよ」


秋津は男子の胸ぐらをつかんで思い切り拳を引いた。


待て、待て、待て!なんで喧嘩の相手変わってんの!?


その時にあたしの体にすごい思考が働いて、男子に殴りかかる秋津の手を素手で止めた。


 「野次馬にまで迷惑かけんな」


ぼそっとそう呟いて足をけり上げた。


その足が秋津の左腕にあたり、秋津は地面に叩きつけられた。


気がつけば地面に伸びている秋津が見えて…

 
 「や・・・ばい」


自分がやったことに深く反省した。