ため息をすると、後ろからいろんな人の肩でどんどん前に押された。


 「ちょっと」


気がつけば一番前に来てるし。


それにしても酷い殴り合いで、どちらとも口から血が出ていた。


秋津が相手にお腹をけられて後ろに倒れそうになったのをあたしが体で止める形になっていた。


圧に負けて手からピーチジュースの様気が落ちた。


その容器を秋津が拾い、投げた。


 「おりゃぁ!」


待て、待て、待て!!中身入ってるし!


声に出そうとした時はもう遅く、相手の顔面に当たりピーチジュースでびしょびしょになった。


秋津がその瞬間をついて殴りかかろうとする。


しかし、相手の早い反応でそれを避け、逆にその相手が秋津に殴りかかろうとしていた。


秋津も横に避けてそのまま倒れた。


相手に視線を戻すと、その拳が…


 「あ、あたし!?」


こっちに向かってくる。もう駄目だと目を強くつぶった。


……しかし痛みは無く、目を開けると、すぐ目の前に私を庇った男子がいた。