「二人の写真取りに行こう」
あたしたちは静かに毛布から出て、蓮と茜を覗いた。
「寝てる、寝てる」
バックからスマホを取り出し、二人の並んだ寝顔を撮った。
「何してるの?」
瑞樹が蓮に何かをしていた。場所をずらしてみると、瑞樹が蓮の顔に落書きをしていた。
「あぁ。怒られる」
「いいって」
「にしても、面白い」
「我慢しろ」
瑞樹は絵がうまいから、すごく蓮の顔がおもしろくなっていっている。
「ククク…」
「笑いすぎだ」
笑いすぎてお腹が痛い。
あたしは念の為、瑞樹が落書きをしている瞬間も写真に撮った。
撮った写真を見て笑っていると、小声で声が聞こえた。
「外、歩きに行こう」
「うん」
外に出ると、少し肌寒さを感じた。
茜の家から少し歩いた場所の小さな丘の休憩所に向かった。
丘から眺める町の風景は、朝日の絶妙な光と澄んだ空気で奇麗だった。