ベッドから降り、カーテンを開けて背伸びをする。


いつもより光が眩しくて目を開けなかった。


光に背を向けて部屋全体を見渡す。


ふと壁にかかってある時計に目をやると7:50で一瞬体の機能を静止させた。


両親は共働きで朝は誰もいない。


もちろん朝起こしてくれる人も。


そしてあたしは叫ぶ。


 「遅刻だぁぁぁあ!」


先ほどまであたしに反抗していた時計の頭を何発か叩き、急いで部屋を出た。


階段を下りるだけでどっと汗が噴き出してくる。


トイレを済まし、洗面所で顔を洗い鏡と向き合う。


 「ばか」


それだけを言い残しあたしはもう一度部屋に戻った。


いつも着ている夏服に身を包みバックを持って部屋を出た。




そして、階段に差し掛かった時だった。


靴下がなんでか、今日に限って滑って、お尻で階段を駆けて行った。


ビビって腰が抜けなくなったけど、どうにかして靴を履いて家を出た。