「お前とかよ」
 「「「頼りにならね~」」」


あたし以外の三人が声を漏らした。


あたしが蓮と、瑞樹が茜と組むことになった。


ちらっと横を見ると、瑞樹と目があったがすぐに離されてしまった。


暗くてあまり顔の表情は見えなかったが、うっすらと冷たい顔をしたような気がした。


 「じゃ、行くか」


蓮が茜とのじゃんけんに負け、あたしたちが一番最初に森に入ることになった。


後ろで茜が手を振っているのが見えて、大きく振り返す。



 「ったく、じゃんけん弱いんだから」
 「この森の中、じっと待ってる方が怖いんじゃないのか?」
 「最弱じゃんけん王」
 「たった一回、席替えのじゃんけんで負けただけだろ」
 「わざわざあたしたちがお願いして近くの席取れたんじゃん」
 「…いつもあいつの隣じゃねぇか」
 「何か言った?」
 「黙っていくぞ」


左手をギュッと掴まれ蓮の歩幅に合わせる。


蓮はあたしの一個分くらい身長が高く、脚も長い。蓮に歩幅を合わせるだけで足がつりそうだ。


 「ちょっと速い」


急に蓮の足が止まり、背中に頭をぶつける。
 

 「いでっ…」

 「お前がいつも…」
 「いつも?」


その瞬間、風は吹いていないのに、どこかで草が揺れる音がした。


とっさに蓮の足にしがみついてしまった。


 「な、何…」