でも彼はやはり私に記憶を思い出して欲しいようだった


『なぁ、河部この場所覚えてる?』


彼は携帯の液晶を見せて聞いてきた


「ううん、分からない」


私がそう言うと


『そうか...』


と悲しげにため息をつくからだ