一気に視界が開ける。

眩しさに思わず目をしかめたが、徐々に目が慣れ…全体が露わになる。



光差す——そこは広い部屋だった。

大きな障子窓が壁のように並び、下段の広間にはいくつもの椅子とあちこちに望遠鏡が置いてある。

幸いな事に人はいない。

だが、部屋の造りや窓の大きさに何故かどこなく違和感と胸騒ぎを覚え…早足で下段まで駆け下りた。

そして一目散に障子窓に手をかけると、障子窓を開ける。




「………!」


思わず口を手で押さえた。

目の前に広がっていたのは、おれが拉致されて最初に放り込まれた場所。


即ち、今後の生贄たちが暮らす場所。

おれが宮に連れられる前と何も変わらない生活を、彼らはそこで繰り返していた。