「従姉妹の早乙女のおっちゃんが・・・どこの社長か知ってるか?」
「あぁ・・・詳しくは知らないけど・・貿易関係だよね?エビとか輸入してるんだっけ?」
「エビだけじゃないぞ、 アパレル関係も携わっている。各国から安い材料を仕入れてきてる・・
そこのな、人事部に夕子ちゃんが勤めてるんだが、アルバイトの口があるそうなんだ。」

「俺・・・勉強忙しいし・・これから猛勉強しますよ! そんなつまんないアルバイトしてる場合じゃ・・」

「まぁ、聞け、 つまらないかどうかは お前次第だ。 大学に進むにしろ、いずれ就職はするのだから
あの会社にコネを作っておくのも大事だぞ、5時キッカリには帰れるよう説得しておいたから、
お前はそれから勉強すればいい。お前のオフィスでな!」

「俺のオフィス?」

「フフ・・・あぁ、早乙女のおっちゃんがどんな人か知ってるだろ?」
「うんっ 太っ腹で金遣い荒い」
「こらこら、それは褒めてるのか?」
「あ・・・いや・・」
苦笑いで後頭部をなでる龍。
「ま、早乙女のおっちゃんのことだから、長期で働いてくれる龍の為に空いてるオフィスを提供
してくれるんだと。俺のとことは偉い違いだな」

「うんっ 父ちゃんは無駄がないもんな! 茶を入れてくれる秘書もいねーし」
「秘書はいるが、大学卒業生に茶を入れる暇なんて与えてないだけだ」
「さすがっ パチパチパチ」
胸の前で小刻みに手を叩く。