コン・・・・コン・・・

「はい」
ガチャ・・

「失礼します・・。」
「おー・・・龍か、遅かったな」
「すみません」

「今日はお前に提案があってな・・・ ま、そこに座ってくれ、茶でも入れよう」
「あっ 俺が煎れるよ」
「いや、いいよ。 最近父さん 新たな煎れ方を習得したんだ」
「・・・・そ・・そか。」
力なく、ソファーに腰を落とす龍。
父親は得意げに 湯のみから先にお湯を張っている。
「こうするとなぁ・・ 茶の甘みが出るんだ」
龍、一点を見つめていて返事をしない。
「これだけじゃないぞぉー」
急須に茶葉を入れ、お湯を半分まで注ぐと蓋をして、 上下にゆらしたり、渦巻きのように回したりしている。
「よぉーーし そろそろいいだろぉ」
チョロロロ・・・
湯飲みの中のお湯を捨てて その中にお茶を注ぐ。
「うーん いい色だ」