・・・・・・トクン・・・・・・トクン・・・・・・・

ドクン・・・・・ドクン・・・ドクン・・ドクン

龍は目を見開いた。
心臓の音が次第に早くなっていることに気付いたからだ。

ドクン・・・・ドクン・・・・

真理子の背中が当たっている・・・
真理子の温もりが
直に伝わってくる・・・・。

ガバッ

龍は思いきって麻理子の方に向きなおしてみた。
右肘を枕元について、上半身を起こし、真理子の顔を覗き込む。
真理子は一連の動作に気付かず、すやすやと眠りについていた。

「おまえ・・・無防備すぎ」

「・・・・俺だって男だぞ・・・。」

麻理子の頬にかかった横髪を中指で、軽くかきあげる龍。
スゥ・・・スゥ・・と息が漏れている、少し開いた口に顔を近づけていく。
龍の唇と真理子の唇がかすれそうになるほどに近づけると、 真理子の長いまつげが
動いたような気がして、目線をまつ毛に集中させた。